白いTシャツの腕が
寝起きの髪をぐしゃぐしゃとかき回す

歯を 丁寧に磨いたあと
顔を洗って 鏡を覗き込む
銀色のシェーバーのスイッチを入れる

バリバリバリ、
ヒステリックなささくれだった音が
眠そうなほっぺたを滑って行く
それがなんとなく 大人しくなるまで
鏡の前 それをくり返して

すこし あごを上げて
ハスに流した視線で
鏡を丹念に覗き込むと
満足したようにこっちを向いた

うふふ
ぜーんぶ見ちゃったよ

見てないと思ったでしょ
自分一人のつもりで
油断し隙だらけの
そんな君も いいじゃん?

なんだよ
起きてるならそう言えよ

照れなくたっていいじゃない
(笑)