ゴロゴロ 遠慮無しに咽を鳴らす
大きな猫
自分のからだの大きさを
あえて
忘れてしまいたいらしく
力ずくですり寄って来ては
我侭の 爪を立てて
あま咬みしていくあたしの指先
油断すると血すら滲むくらいに
おばかさん痕が 残ってしまうじゃない

優しくして
抱きしめて、
可愛いと言って
愛してよ、許してよもっともっともっと、

君は構って欲しくて誘う、
挑発的に笑う、
わかったよ、可愛いカワイイ、
あたしは君を
これ以上ないくらい
無責任に甘やかす、
だってもうじき タイムリミットだから
君を 必要とする大事な場所で
君はぬかりのない
男の人間に戻る


横目でアラームを確かめながら
あたしは まだ
猫でいる君の 背中をつよく
抱き締める

 

 

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