君の部屋のグッピー
ひらひらと踊る
水槽のなか

沸き立つ気泡は
何をだきしめて
はじけていくの
想いを他所に
ひらひらと踊る

小さいけれど
冷たく見開かれたその目は
あたしと君
それから
誰かと 君の時間を
同じように
ずっと見ている

あたしには似合わないもの
長いシフォンのスカート
言ったところで
お前はお前じゃないかと
優しそうに見える
君が微笑む

キスしても
だきしめても
君は
泡のよう
沸き立ってあふれては
腕の中 はじけて見えなくなる

あたしは君のなかの
青いさかな
ひらひらと踊る、
そんな想いなど
見ないフリをしたまま

 

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