車のヒーターが暖かすぎるから
少し外に出てみよう と言ったら
うなづいて 君が
ゆっくりキーを引き抜いた

星のきれいな場所に
来るひとは多い
高台から見下ろす街は
まるで 空の輝きが落ちたよう
君とわたしもここに来て
それに まぎれてしまったら
星明かりの下では
もう 誰なのかはわからない

きれいだね と囁くたび
灯る 白い息
わたしの肩に自然にある君のてのひら
さんざん 話しあった迷いは
君の車に置いたままだけど

このまま何も怖がらず
星のように流れてしまえても
それも きっととても幸せなのだろう

優しいのと
寂しいのと
狡いのはよく似ていて
大人のつもりの君とわたしは
それを トランプのように裏返す
もうそんな遊びは
やめてしまえばいいのに
誰かが
いい加減にしなさいと
叱ってくれたら 醒めるのかな?

分かっててやってるんだもんね
始末がわるいよね
って
笑ってる
ひとごとみたいだよね



 

「星くずゲーム」

 

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