きれいでいたいと思った
君が 褒めてくれたから
さりげなく 誰に言うでもなく
何かのついでにだけれど
髪のほつれや
シャツのしわが
とたんに気にかかる
君が 見るでもなく
わたしを見つめているから
背中がのびる
君に見られることで
わたしはわたしのために
きれいでいられる
君は
わたしを映す鏡
それは
ときに 思いがけないわたしの姿を返してきて
はっと
息を呑むこともある
鏡
© 2004.kan_u All Right Reserved.
photo:©24 colors