髪を切る

 

すこし 茶色にした 君の
やわらかな 手触りが好きで
撫でていた 何度も 飽きもしないで

やさしいけれど シャイで ひとりがいい君は
ふいをつくように  髪形をかえてあらわれ

胸に
耳をあてて 聴いている
ほんとうの君の
ほんとうの言葉

なにか ひとつ失うそのたびに
髪を切って済ませてしまうような
そういう生き方はいやだ

                ひとは皆 そんなに強くはないけど
目をそむけて オトナにもなりたくはない

わたしがこうして
あの日の君のように
髪を 短くしても
君はきっと 何も訊ねはしない

                                                ただ
へえ 案外にあうね
などとくちにする

                                         そういう君が 好きです

 

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