真夜中の君 腕の中の海
たゆたう とまどいと
いたずらな好奇心
はじめは なんだった?
君はよく覚えている
一緒に行った店や
通った道路

そう、あたしの はじめは ただ
ただ君といたかった。

君の声が欲しくて
電話を鳴らす
君のぬくもりが欲しくて
会いたいと思う、
君が応えてくれる、
それをくり返して、
あたしはもっともっともっと、
君の時間が欲しくなる。

あたしは君がすき。

.....だけど君は?
...だけど、きみは?

 

この海の中ひとりで溺れていくそんな
胸のつぶれそうな不安、
それの理由はなんなんだろう、
壊れて、
壊してしまいそうな悲しさは。

ここまででいい、
なんていうものはどこにもない
心の満ち潮はきっと来る、
けれどまた必ず引いていくから。

心臓の動きのように。
呼吸をするように。

はじめは なんだった?
ねぇ はじめのあたしはなんだった?
君、こたえられる?


欲しいものが増え続けて、
君の腕を背中に感じていても。
あのころのこじんまりとしたこころには。
もうもどれないのかなぁ。

 

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photo:(C) hirako