君だけをみていた
いつか
君だけをみていた
だけど
どうしてかそれが怖くて
ほんとうに触れられなかった
君の優しさとか
あたしにくれる微笑みは
誰かへの欠片だと
思おうとしていた

知りはじめたころの
素直なときめきすら
理由をつけようとしていた

そんなことは
どうでもいいと
わかっていたのに

あたしはただ
君を愛していたかったのに
静かに
ここで
他にはもう
何もいらなかったのに

君を愛していた
いつか
君だけを見ていた
君だけを求めた

 

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