可愛いね と言った
君の掌が
優しくその頭を撫でたあと
壊れ物を扱うように
そっと胸に抱いた
君のまなざしをひとりじめして
その腕のなか
見つめ返して
君を 呼ぶ
......ね
あたし その君の腕のなかの
ちいさな猫になりたい
そんなふうに我侭に君を独占したい
抱きしめられてそれでもなお
君が欲しい と鳴いて
堂々と君を 困らせてみたい
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