おねえちゃまは　いつも
おとうとのことを
振り返っては　はやくおいで　って
声をかける

だめじゃない
しっかりしなさいね
泣きべそをかいているような気がして
その手を
こっちからさしだした
自分の手で
強く　握っては
男でしょ
誰からもつよくやさしく思われる
素敵な人でいて

いつもすこしだけ前か
すこしだけ後から
君を見てる癖
抱きしめてあげる
だけど
抱きしめられたい
その気持ちをいつも
握った君との手のひらに
隠していること
君は　知っているかしら
誰にもきこえぬように
風の中
風と同じ周波数を
いつか　選んではごまかして
君をみてた
そして　これからも
ずっとずっと

それが『おねえちゃま』の
役割だから
もしそれを　降りてしまったら
もう他に君にとって
何になればいいか
今は正直わからないの
笑ってしまうでしょう

おねえちゃまは　いつも
可愛い人のことを
振り返っては
大丈夫だよと笑顔を作る
君がうん、とうなづけば
それだけで
優しくなれる