前にね 辛い恋をしたんだ
   だからね
   ちょっと そういうことに臆病なの
   少し酔った君は
   見たことのない顔で笑った

   誰にも 触らせないんだね
   君の ほんとのきもち
   でも 出来たら
   そう 決めてしまわないで
   たった
一人では生きていかないほうがいい

   泣きたい夜とか かっこ悪かった事とかが
   むかし君に いくらあったとしても
   わたしには何も関係ないもの
   だから 何を言ったっていいよ
   余計な詮索なんかしない

   降り積もる 君のこころのなかの
   しずくを言葉にかえて

   今流してしまいたいなら
   誰も君をみていないうちがいい

   そしてまた みんなの素敵な君に戻って
   誰かと 恋をしておいで

   大丈夫

   みんなが 君を好きだよ
   わたしと 同じくらい
   もしくは それ以上に ね


     

『しずく』

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