白い月の光が
街中を満たすから

君に会いたくなった

一月の空が 
都会なのに 澄んでいたのは
きっと 一日中
強い風が 吹いたせいだろう

風の中を
ポケットに手に入れて君が歩くのが
見えたような気がした

少し時間をかけて
君に触ってみる
時に微笑み時にそれを払い除けられて
それを繰り返しながら
でもいつかすこしずつ
側でわがままを言ってくれた

君の こころの柔らかいところに
見当が少しつくようになった

白い月の夜
君はどこで どうしているのだろう

君はここにはいないけれど
いつも少しだけこころをあずけているよ

吹き過ぎて行く 風のなか
君を感じた
遠くて とても近いところにある
君のやわらかい気配を
そっと 抱きしめる

 

 

”白い月の夜”

 

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