俯いた ひたいを隠す君の髪
ぱらぱらと 影をつくる

じっと 考えているのは
これからのこと
それとも

 

ぼんやりとしているようで
そうじゃないということは
無意識に 咬む 爪の
その癖で分る

こころに不安を隠すひとは
幼い仔のように
なにかでそれを紛らわす
たとえそれがどうにもならない繰り返しだとしても

わたしはそれを見ているだけ?

君は微笑んでくれるだけ?

愛されたいと言葉にかえるのは
そんなに難しいことなの?

 

わたしは君を解放したい
余計なお世話だよと言われても
君を 抱きしめたい
思いきり怒ってもいい
そういう君であっても当たり前なのだから

他の誰にも 許せないなら
わたしは 君の爪になる

 

強く 咬めばいい

 

 

                            「爪」

 

 

 

 

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