遠くに光る
高いビルの側に
いるよ とあの日言った
高台に停まれば
すぐにここからも
そこまで飛んでいけそう

わかっていることは
この夜空の星の数ほどあって
それを嘆いても
どうにもならないのも
よくわかっている
失う事が恐くなければ
守る物が少なければ
それだけ人は
むこうみずに還れる
だけどこんな手段じゃなくて
今そこにいるはずの
君の あたたかい
体に触れていたい

だれでもそうだなんて
一言でおさめられるけど
それが
どうしても出来ない時だってある

目の下に広がる
色とりどりの 地上の星ぼし
いちめんの魂
いちめんの人生のドラマ、
灯るそのあかりのもと
ひとつずつの理由が
どこかにいて今息をしている
君の足元まで続いている
もういい、
なんて決して言ってしまえない
君だって
あたしだって
同じ星あかりを こうして背負っている

迷路は慣れたけれど
少しだけ抱きしめて欲しい
疲れたから
わかったフリだけでいいから
そうしていてね

 

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photo:(C) hirako