白く 輝く まだ誰もいない
公園の 雪のなか走り出す
君の中で眠っていた少年が目を覚まして
雪のつぶてを 投げ返した

この街にしたら何年ぶりのこんな雪の朝
君とこうして いられるなんて
神様に感謝しなくっちゃね

走る こいぬのように
まるで 大人の君が 息をきらせて笑い転げる
わたしは 高鳴る胸のなかの 
シャッターを切り続けた

守るべきものとは?何が一番なの??
夕べ君が腕の中で言った、
そんなふうに順位 を決めてしまえたら
誰も 悩まないで生きて行けるよね

大人になって もう随分経つけれど
長い時間の中で覚えた、
美しく愛しいものほどはかなくて
一瞬でその姿をかえてしまうということ

  

 

 

 

 

走る こいぬのように
まるで 大人の君が何もかも忘れたように
白い雪を掴んだ手のひらがいつか赤く染まれば
儚く 露に還るけれど

雪は あとどれくらい残っていられるの
君との時間は ね あとどれくらい残っているの?

走る こいぬのように
まるで 大人の君が 息をきらせて笑い転げる
わたしは 高鳴る胸の中の シャッターを切り続けた

                   

こんな時間があったことを
君というひとがわたしとここにいたことを
けして 忘れない為に

 

 

   

 

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